蘭丸
新たな年の
初めての外出先がここになろうとは・・
初めての外出先がここになろうとは・・
何時か来る日の覚悟は決めていたが
喪失感は半端ない。
浜松斎場・・・火葬場が今日の目的地だ。
ガリガリに痩せ
骨と皮だけの身体で
懸命に生きた半年間
声を掛けたら必ず返す愛しさに
『がんばれよ』『1日でも長生きしろよ』と
何度も何度も呼びかけた。
家人から『可哀そうだからもう止めて』
と嗜められたあの返事が
日に日に小さくなって行く。
健気に
そして確かに返した
かすかな声も
今はもう聞こえない。
父ちゃんも
もう直そっちヘ行くからな
そしたらまた
大きな声で話そうぜ!
そんな言葉が精一杯だ
何れ死ぬ事を知りながら生き続けた人間とは別に
自分の終わりを知る事も無く生きた
小さな命に涙が止まらない。
やせ細った姿で最後まで生き抜いたお前に感動したよ
安らかに、ありがとう・・ 蘭丸
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